こんにちは、まむすん(@1HP_FIREman)です。
私は数年前にマイホームを購入し、住宅ローンを組み、そして毎月ローンを返済しています。
私と同じように住宅ローンを組んでいらっしゃる方の中で、利息を減らすために住宅ローンを繰り上げ返済しようとしている方、もしくはこれからマイホームの購入を検討していて、なるべくローンの額を減らすために頭金を入れて借入額を減らそうと考えている方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、ちょっと待ってください!
実は、住宅ローンは繰り上げ返済すると損なんです。
これは、なるべくローンの額を減らすために頭金を入れて借入額を減らす場合にも当てはまる内容です。
住宅ローンはフルローンで組み、繰り上げ返済はしないでください。
この記事では、住宅ローンを繰り上げ返済したり手持ち資金を頭金にしたりすると損する4つの理由についてお伝えします。
これから住宅ローンを組む予定の方や、すでに住宅ローンを組んでいて繰り上げ返済を検討されている方にとって有益な内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事では今は住宅ローンが低金利時代であることを前提としています。もしこの記事をご覧の方で金利の高いローンを組まれている方がいらっしゃれば、この記事の限りではありません。
理由①そもそもの繰り上げ返済メリットが小さい
例えば住宅ローンの金利が1%だったとします。
そうすると繰り上げ返済によるメリット・利息が減らせる効果というのは、当然金利1%分です。このメリットは大きくありません。
大きくなくてもメリットがあるならやればいいじゃん、と思うかもしれませんが、そんな利息1%分のリターンを大切な手持ち資金を使って取りに行くなら、株式や投資用の不動産といった、もっと利回りの高い金融商品を購入したり、あるいは事業に投資した方が期待されるリターンが高いです。
手持ちのキャッシュがあれば、株式に投資する、不動産に投資する、事業に投資する、といった多くの選択肢をとることができます。キャッシュイズキングと言われるのはそういう理由ですね。
例えば優良な株式のインデックスファンドは年平均利回り3~7%が期待できますし、高配当株でも3~4%程度の配当金が期待できます。金利1%を取り戻すのにキャッシュを使うよりもよっぽど大きいリターンを得ることが期待できるのです。
実際どのくらいリターンが異なってくるのか、こちらのサイトを使ってシミュレーションしてみます。
4000万円のローンを35年、固定金利1%で組んで、返済が10年終わったところで繰り上げ返済1000万円をすることにしたとします。
後ほど詳しく記載しますが、繰り上げ返済をしたメリットは基本的には返済期間の短縮という形で表れます。今回のケースですと、残り返済年数が25年から16年となって9年短縮されます。繰り上げ返済により減少する利息は約226万円です(下表の「期間を短縮する場合」参照)。
これはつまり16年後にリターン226万円を得られるようなものですね。1000万円を支払った、それによって16年後から25年後の9年間にかけて本来支払うはずだった226万円を支払わずに済んだ、というわけです。
ああ226万円浮いてよかった~、と喜ぶのはまだ早いです。
では次にこちらのサイトを使って、1000万円を繰り上げ返済せずに16年間かけて年利5%のインデックスファンドで運用した場合をシミュレーションします。
一括投資するのもリスクなので、16年間で毎月約5.2万円、総額1000万円積み立てるものとします。
この場合の運用結果はこちら。
運用益は約526.5万円。繰り上げ返済した場合とのリターンの差は約300万円、倍以上のリターンの差が生まれています。
残り返済期間や繰り上げ返済する額によってこの差は変わりますが、住宅ローン金利が低い以上、これが逆転するということはありません。
理由②繰り上げ返済の恩恵を受けられるのは数十年後
繰り上げ返済には、期間短縮型と返済額軽減型の二種類があります。
画像はsuumoより引用
期間短縮型というのは、返済額を短くして月々の返済額は変更しない返済方法です。対して返済額軽減型というのは、返済期間は変更せずに、月々の返済金額を減らすという返済方法です。
この二つのうち、利息が小さくて済むのは期間短縮型なので基本的にはこちらを選択することになると思います。よって繰り上げ返済をしても、月々の返済額には変化がなく、繰り上げ返済をした効果が得られるのは数十年後の期間短縮した年数のところです。
なので繰り上げ返済は数十年後のリターンを得るための投資のようなもので、だったら尚更、先ほど述べたインデックスファンドに投資した方が期待リターンが高いです。インデックスファンドでの資産運用は数十年という長期間の投資と相性抜群ですよね。
もし月々の返済額を減らしたいというとき、このときに返済額軽減型を選択して繰り上げ返済して月々の返済額を減らすという選択がありかというと、それだったら同じ額のキャッシュで高配当株に投資をしてキャッシュを得てそれを返済に充てる方が、繰り上げ返済をして月々の返済額を減らすよりも大きな効果を得ることができますから、高配当株投資で得たキャッシュを返済に充てるという方が合理的ですね。
なので期間短縮型であっても返済額軽減型であっても、繰り上げ返済が選択肢になることは基本的にはありません。
理由③死亡したら支払い免除
住宅ローンを組む際、団体信用生命保険(いわゆる団信)に加入しますので、もし自分に何かあった場合、住宅ローンの支払いは免除になります。
よって繰り上げ返済をしたあとに自分が死亡したら、その繰り上げ返済した分まるまる損になります。自分が死亡した場合、繰り上げ返済したキャッシュっていうのは戻ってきません。
その点、キャッシュや株式は自分が死亡した場合家族に相続することができます。万が一のことを想定するのであれば、繰り上げ返済せずにキャッシュや株式など何かしらの金融資産として持っていた方がそういったリスクへの備えにもなります。
理由④繰り上げ返済には手数料がかかる
借入先の金融機関にもよりますが、繰り上げ返済をするにあたり手数料をとる金融機関が多いです。手数料は数万円取られ、それでいて繰り上げ返済で取り返せるリターンは金利が低いため小さいです。
繰り上げ返済してもいいケース
以上で繰り上げ返済をすると損する4つの理由をお伝えさせていただきましたが、以下に繰り上げ返済してもいいケースについてお伝えします。
負債が精神的ストレスとなっている方
負債を抱えている状況が我慢できない、一刻も早く負債を減らしたい、負債があることで精神的に不安があるという場合は、繰り上げ返済をすることで幸福度が上がります。
投資や資産運用をする気がない方
投資が怖いとか、リスクを負えないとか、する気がないという場合は、何もしないよりは繰り上げ返済をしてもいいと思います。
住宅購入用資金として贈与を受けた方
これは頭金の話ですが、住宅購入にあたり贈与を受けた方は、その資金は住宅購入資金に充てないと贈与税が取られてしまいますので、必ず頭金に入れてください。
最後に
以上、住宅ローンを繰り上げ返済してはいけない理由を解説させていただきました。
これら4つの理由を知っていただいた上で、ご自身のスタイルに合わせて繰り上げ返済する・しないを判断いただければと思います。
それでは最後までご覧くださりありがとうございました。
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